美容師国家試験に合格し、晴れて美容師免許が手元に届きました。
ちなみに調理師免許も持っているので
二つ目の国家資格です。
調理師免許はなくても、飲食店を営めます(お客様に料理を提供できる)美容師免許が無ければ、人を美しくする仕事はできない人の口に入るものを提供することに資格は要らないけど、眉毛にエクステを装着するには必要。
届いた美容師免許証には、美容師法(昭和32年)と書いてあります。 令和になる時代で、60年以上変わらない法律。
もちろん、たくさん学べました。必要な知識、情報もあります。 でも実技は違います。
私はロンドンとパリでメイクを学びました。 ロンドンでは衛生面もかなり厳しく採点され、筆記と二つの実技試験に合格したことでIMAという国際資格のdiplomaを取得できました。クラスの約半数は不合格で再試験を受けていました。
帰国後、美容師さんにメイクを教えることもしていました。美容師さんは口を揃えて言いました。「美容学校では殆ど習わないんです。」
彼らにメイクを教えている私が、教えること以外でお客様にメイクしたり、自分が開発した商材で眉毛エクステをすることが日本の法律ではできませんでした。
美容師法はあまりにも古く、現実に則していません。
過去、様々な団体が法改正について働きかけてきたのは承知しています。 当協会にも、そんな活動を主導してくれないか、というご依頼も。
でも、私は自分がやったこともないのに、深く知りもしないのに否定することはできませんでした。
やり遂げたとき、これなら必要だったと言えるかもしれないという気持ちもありました。 今回、あえてこのブログを書いているのは自分で全てを経験して、真に、現実に則さない法律、試験内容であることを実感したから。
髪以外の美容の仕事をしたい人はたくさんいます。そして日本人の繊細な感覚や技術、商品は外国人からも信頼が高く、海外にもアピールできる大きな可能性があります。
美容師免許を持っておらず眉の仕事を諦めた人は、当協会への問い合わせのみで数百人います。 美容師免許を持っていても、眉毛、メイク、まつ毛を学びたいと思ったら自分でまたスクールに通う必要があります。
そのスクールの中には、教える側は資格が要らないからと、お金を出せば1〜2日で誰でも講師になれる「講師コース」を設けているところがあります。
全くの素人である講師に教わった生徒さん、その技術を提供されるお客様があまりに不憫です。実際に当協会に相談が寄せられたことも多々あります。
美容師法がかえってひどい状況を生み出している一例です。 美容師法ではなく、専門分野を学べる細分化された美容法の必要性を切に感じました。
そしてもう一つ伝えたいことがあります。
技術は誰でも上手くなる。 その努力ができるかは自分次第です。
実技課題は、教えてもらったこと10%、練習量90%でした。
ある程度までの技術は、反復練習で身につくと実感しました。
それさえもしない人が、眉や人の顔をキレイにする仕事ができるとは思えません。
私もまだまだこれからです。やっとスタートラインに立てました。
これからも学ぶことに敏感で、経験したことで“違う”と思うことは根拠と共に説明できる人でありたいと思います。
長々とお読みいただきまして、ありがとうございました。