幼い頃から美貌の面影。
ストレートでありながら眉尻に向かって細くなるこの眉型は、素直さ、若々しさ、上品さを兼ね備えた正に若きプリンセスにピッタリの形。劇中のショートヘアと共にオードリーヘップバーンのアイコンに。
ローマの休日の後に大ヒットした『麗しのサブリナ』での眉。
ストレート&アングル&そしてカーブが入るアイコニックな眉型。
強さと自信がみなぎる印象を与えます。
20世紀で最も有名と呼ばれる『ティファニーで朝食を』のブラックドレス。
マイフェアレディのスタイルも負けず劣らず、オードリーヘップバーンのファッションアイコンとしてのイメージを決定づけました。
角度によて見え方は違っても、眉は角度が強いアングルへと移行していきます。
アングルは欧米人の女性に人気の眉型で、顔をキュッと引き上げてくれる形。
ドレススタイルに合わせると美人度を上げてくれます。
30代までに一世を風靡したいくつもの作品に出演し、家庭生活を優先するために活動を控えた時期の40代。上品さはそのままに、アングルの角度が強く、そして多くの女性がそうであるように、年齢と共に長め眉になっています。
50代で出演した映画 “they all laughed”(日本未公開)
女性は年齢と共に眉を細く長く描く傾向があります。
欧米人女性はこれに加え、角度をつけてちょっと凹みを加えることも。この頃には表情筋の左右差も出てきています。
40代後半〜50代前半までは過去のイメージとはすっかり変わり、顔には苦労が、ファッションは迷走気味なのが現れています。
どちらも63歳で亡くなられる数年前の写真。
50代の彼女とは別人のよう(50代だけ別人のよう!)な本来のオードリー・ヘップバーンに戻りました。
慈善活動をライフワークにした頃から穏やかな顔つきに。
若い頃の”眉が主張している”顔に比べ、年齢と共に眉が細くなっていることが顕著です。
若返り整形がスタンダードなハリウッド女優の中で、ありのままの姿を通したオードリー。
外見的な美しさで言えば、どんな絶世の美女でも若さには叶いません。
でもこうしてみると、年齢と共に刻まれたシワも、晩年の穏やかな顔つきも彼女の品が滲み出ているようです。
私たちは、つい自分と人を比べてしまいがちです。
本来比べるべきは他人ではなく、過去の自分。
年齢を重ねるごとに誤魔化しが効かなくなります。
過去の自分よりも”良い顔”でいたいものです。