
アートメイクについてのご質問が増えています。
当協会にも「アートメイクの講座はありませんか?」というご質問も寄せられるようになりました(アートメイク用の講座はありません)。
アートメイクは医療行為です。
スクールに通っても医師免許がなければ施術できません。
ただし、現在医師でアートメイクの施術を行なっている人はほとんどおらず、実際は看護師が”医師指導の元”という前提で行なっています。
アートメイクを仕事にするために看護師免許を取りに行く人、また美容クリニックによる看護師の求人募集が急増しているのが現状です。
どこがいいかを尋ねられることがありますが、技術もセンスも好みも人それぞれ。
とてもお勧めのお店(クリニック)はお答えできませんので悪しからず。
アートメイクで失敗したと感じる人の共通点
美容整形が身近になったことで、アートメイクも軽い気持ちで受ける人が急増しています。
私自身もかなり昔に入れたことがあります。
幸い今ではすっかり消えていて、本当に良かった!と思っているのが正直な感想です。
2020年現在、アートメイクが再び流行っているのは若くて綺麗なタレントさんの影響は否めません。
”アートメイク”で検索すると出てくるのは美人タレントさんの顔写真ばかり。

こんなに自然で綺麗になって眉を描く手間まで省けちゃうなんて!!
と誰もが感じるはず。
実はこれが最大の懸念事項なんです。
失敗アートメイクを見ていない
実際に私が見てきたアートメイク経験者は、失敗アートメイクの方が圧倒的に多いのです。
失敗と感じているのは、年齢を重ねた人たちの感想です。
年齢と共に必ず顔は変わります。
多くの女性は、40~50代になると若い頃より目が小さくなったと感じます。
稀にまぶたの肉が薄くなり、目が大きくなる人はいますが、それは皮がたるんだ結果。
年齢を重ねて目が小さくなったと感じるのは顔のたるみが原因です。

顔全体がたるんでくるだけではなく、瞼はその他の皮膚の1/3しか厚みがない。
二重の幅が狭くなるなどたるみやハリの変化が顕著に現れます。
さらに皮膚のたるみだけでなく、表情筋の衰えも!
皮膚がたるみ、目を開ける力が弱くなると目と眉の距離が広がります。
アートメイクを入れると、眉が余計に上に位置しているように見えるというわけです。
目元だけではなく、顔全体のたるみ、肌のハリの違い、眉毛や髪質の変化、そして眉の左右差。
左右差は、眉の筋肉の使い方や表情筋の動かし方で年齢を重ねると確実に大きくなるもの。
先日お会いしたアートメイク歴20年の50代女性のイメージ

大袈裟ではなく、左右で眉の始まりも角度も違いました。
が、当然この形でアートメイクを入れたわけではなく、
経年変化で左右差が出てきたことが原因です。
そして色。
赤、黄色、オレンジ、黒、グレー、青などアートメイクを入れた部分の色は90%の確率で変化します(昔の色素)。
もちろん現在のアートメイク技術は20年前とは違います。
最近20代でアートメイクをしている人に会うと、本当に綺麗で不自然さもありません。
でも40代以上で綺麗に入っている人は滅多にお会いすることがなく。
理由を考えると、アートメイク技術だけではなく、本来眉は顔の筋肉と連動して動くパーツ。そして肌や毛の色も変わる。
顔の左右差や肌の質感が変わってくると、そこだけ変わらないアートメイクが浮いて目立つようになるのも一因です。

アートメイクで失敗しないために
失敗アートメイクの話をしてきましたが、私自身は決してアートメイク反対派ではなく、病気で眉が生えない人や、本当に眉毛が薄くて困っている人、様々な事情で眉メイクできない人にとって、アートメイクは素晴らしい技術だと思います。
もし自分もこの先眉メイクができない状況が訪れたら、アートメイクは確実に一つの選択肢に入れます。
ただ、オシャレ感覚、メイク感覚、黄金比に近い美人の成功事例だけを見て気軽にやるものではないことはたしかです。
レーザーで消せると言っても綺麗に消える保証はなく、費用もかかり肌と眉毛を傷つけることに変わりはありません。
アートメイクで失敗しないための3箇条
- 数年で消えるくらい薄っすら入れる
- 眉の輪郭(特に上)は決して濃く入れない
- はっきりとした眉型にしない(ストレート/アーチなど流行りがある!)
眉は唯一顔の中で自由自在に変えられるパーツ。
アートメイクを入れたがために眉メイクのアレンジができなくなってしまう、色も変化させられなくなっては本末転倒です。
数年後を見据えて入れること、多少のアレンジができるデザインにすることをお勧めします。
