美容師免許の概念
日本で唯一の美容国家資格が『美容師免許』です。
理容師も似ていますが、美容と理容は違います。
理容師は顔剃りができますが、まつ毛エクステの施術はNG。
まつ毛エクステは、美容だからです。
”日本で首から上の美容行為をするには、美容師免許が必要”
と美容学校では教わります。
美容師免許の矛盾
でもこの定義、矛盾があります。
美容師免許なしでできること
- エステ
- ヘッドスパ&ヘッドマッサージ
- 頭髪の増毛エクステ
- 化粧品販売でBAさんがお客様にするメイク
- 撮影現場でするヘアメイク
- メイクレッスン
一方で、成人式やウェディングなどヘアメイクのセットでは、美容師免許が必要です。
綺麗にするためのヘアメイクは美容行為、BAさんや撮影のためのヘアメイクは商品を販売することに付随したサービス、撮影の一環とみなされるためです。
そして、眉毛エクステもまつエクもヘアメイクも、教える立場は美容師免許が要りません。なんとも不思議ですが、そうなんです。
何をもって首から上の美容行為は美容師免許が必要なのか。
”美容師免許”が騒がれ出したのは、まつ毛エクステのトラブルが急増したのがきっかけです。
そもそも昭和の時代に施行された法律。美容技術の進化に法律が追いついていないのは大前提ですが、ここではこの点については省略します。
そんな無法地帯化されたまつ毛エクステについて、基準を設ける必要性が生じ、それが日本で唯一の美容の国家資格、”美容師免許”に集約されました。
でも”首から上の施術は全て”と厳密に規制してしまうと、ほとんどのエステティシャンは失業し、美容関連企業も倒産してしまいます。
厳密に縛り切れない実態があるのもまた事実です。
ワックス脱毛に美容師免許は必要か
さて、本題です。
ここからは、上記の前提を理解して読んでください。
約3年前に、私自身が厚生労働省に問い合わせました。
①「眉毛エクステに美容師免許は必要ですか?」
「はい。必要です。」
②「顔・眉のワックス脱毛には?」
「それはまた別なんで・・・。眉毛やまつ毛のエクステとは違うのでそういうのはないです・・・」
当時、眉毛エクステについての問い合わせが増えていたのでしょう。
①の回答は、何度も答えているかのような淀みのない明確な口調でした。
②については、①の口調とは全く違い、「まあそれは違うんで・・・」という曖昧さが残るものでした。
「必要」という回答をされなかったことで、当協会ではワックス脱毛を受講される人には「美容師免許が必要」と案内していません。
結局、含みのある言い方なのは、技術的にもワックス脱毛は塗って、剥がすといういわばエステのパックと何ら変わりのない施術です。ワックス脱毛はダメ、と言われるなら、エステで行なわれるパックとの違いを説明する必要が出てくるからだと思います(個人の見解)。
ただこれも、トラブルが起きていない前提での話。
今後トラブルが相次いで報告されることがあれば、美容師免許に集約されることは明らかです。
最も大切なのは安全性を一番にした方法を学ぶこと、トラブルを起こさない技術を身につけることです。
使用商材でも変わる肌トラブルリスク
ちなみに、眉カットは美容師免許が必要になるので、免許をお持ちでない方は眉カットはできません。
美容師免許の要・不要は役所が決める
私自身、自分が問い合わせて得た情報についてご案内しています。
ただし、ワックス脱毛のみを提供する眉サロンを開業しようとした際、保健所から「美容師免許が必要」という指導を受けたという話も聞いています。
保健所の規定は管轄地域によって異なり、また担当者によって指導内容が違うのもよくある話。
その場合、役所の指導に従うほかありません。
ここで皆さんにご理解いただきたいのは、当協会は法令遵守のもと運営しています。
当協会が法を決めているわけでも、美容師免許の基準を設けているのでもありません。
眉毛エクステのときから、当協会に判断を求めるお問い合わせが後を断ちません。
最も確実な方法は、ご自身で厚生労働省や保健所にお問い合わせいただくことです。
美容師免許に振り回される人々
私自身ヨーロッパでメイクを学びましたので、美容師免許は持っていませんでした。でも、眉毛エクステの仕事を始めてから通信制の美容学校に通い、美容師免許を取得しました。
取得して最も良かったことは、「誰に何を言われることもない。」ということです。
美容師免許に振り回される人の特徴
- 美容師免許を持っていない人を見下したり、免許を持っていることに特権意識を持っている人
- 持っていなくても実力があると自分を正当化する無免許の人
- 他人の動向をしつこく探り、隙あらば足を引っ張る人(保健所に密告するタイプ)
- 他人のアイディアや著作物を盗用するだけの人
- 常に責任転嫁できる先を探している人
こういう人が想像以上にたくさんいました。
どんな業界でも面倒な人はいますが、美容業界は”美容師免許”が介在し、一人でも始められる仕事なので、常にマウンティングが行われているのを感じます。
- ずっと美容の仕事をしていくなら美容師免許は取るべき
- 取らない選択をするなら、取らないでできることを探す
- 美容の仕事をしていて美容師免許を持っているのは当然のこと、人よりも秀でているわけではない
- 他人を羨んだり、粗を探している暇があったら自分が豊かになれる行動をとる
- 肩身の狭い思いをして続けるより、免許を取った方が早い