話が長い人、言葉が足りない人

最近つくづく考えさせられることがありました。

講師として仕事をしてきたこの10年以上、いかに相手が理解できるように伝えるか、ということを一番大切にしてきたと思います。

私は”説明スキル”と呼んでいますが、このスキルを身につけることは並大抵のことじゃなく、同じことを言っても相手によって理解度がまるで違う。

相手が悪いんじゃない。
個人に合わせて伝わるように伝える自分の能力が足りないんだ、と毎回落ち込み、反省し、勉強し、その生活は今も続いています。

毎回、1日の講座が終わると立っていられないほどエネルギーを消費します。

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話の長い人はポイントが把握できない

知人で話の長い人がいます。

Aについて質問しても、全く違う話をしだして、勝手に分析して自論を展開します。一通り話を聞き終わっても結局Aに対する答えは聞けないまま。

質問した方は今の話はなんだったんだ?と思いますよね。

実際に私自身も、質問されたことに対して回りくどい説明をしてしまった経験は何度もあります。

その時の自身の考えを辿ってみると、ポイントはこの二つに尽きます。

  • 自分の中で情報が整理できていない
  • 自分本位で答えようとする

❶は、Aに対してシンプルな答えは持っているのに、自分の中の情報がたくさんあるため、それを説明したうえでAの回答をしようとします。結局情報が整理できていないため、寄り道が迷子になってAの回答が出てこなくなる。

❷は相手が聞きたいことはなんなのか?ということではなく、自分が答えたいことを話そうとする。

考えてみると話が長くなるのは、自分の知っていることをたくさん伝えようとする心理が働くから。
その知人も悪い人ではなく、伝えようとする気持ちが強いからだと分かります。

あなたの周りの話の長い人を思い浮かべてみてください。

きっと話が長い人は、悪い人ではないと思います。

ただ、”説明スキル”という点では能力があるとは言えません。

言葉が足りない人は自分しか見えていない

某取引先の担当者は圧倒的に言葉が足りません。

例えば、「オリジナルのマスクを作りたい」と相談したとします。

相談をする時点でこちらはその分野のプロではありません。

「息がしやすいマスクで、耳が痛くならないもの、予算は〇〇円くらいで。
ただ、予算はものによって検討の余地はあります。」

こんなリクエストをされたら、あなたならどんな提案をしますか?

私なら言葉ではなくサンプル品を用意し、それぞれの特徴と金額、素材やパッケージデザインなどを視覚と触覚で試してもらいます。

素材によって何が違うのか、耳が痛くならない工夫、パッケージの特徴など、専門的な観点からニーズに合ったものを説明していきます。

一方、この担当者は、

「どんな素材ですか?」「どのパッケージにしますか?」100%こちらに丸投げです。

必死に調べて、「じゃあこの素材でお願いします。」と返すと、

「これだと国の認可がいるので時間かかりますけどいいですか?」

・息がしやすい素材にはどんなものがあるのか
・耳が痛くならない工夫は?
・パッケージはどのようなバリエーションが作れるのか
・認可のいる素材はどれなのか(なぜ認可がいるのか)

なんの説明もありません。
こちらは知る由もないのです。素人だから。

もちろん今では、「サンプルを見せていただけますか」「これとこれは何がどう違うんですか?」と具体的な質問ができるようになりましたが、最初は、”これがこの業界のスタンダードなのか?”と言われるまま、質問もできず分からないことは自分で調べていました(勉強にはなりましたが)。

よく聞く、『何を質問していいかも分からない状態』というのは確かに存在するのだと身をもって体験しました。

マスクは作っていないのであくまで【例え】ですが、聞けば答えてくれるけれど基本的なやり取りは終始こんな感じで進みます。

この人にはきっと、自分の視点しかありません。

  • 知らない人はどんなことに疑問を持つのか
  • 何を知りたいと思っているのか
  • どうしたら相手にとって役立つ情報を提供できるのか

相手の視点に立てば上記のような視点から話を進めると思います。

仕事で様々な会社やフリーランスの方と取引することがありますが、説明スキルのある人は、最初からこんな視点で提案をしてくれます。

コミュニケーションで最も大切なもの

2つの極端な例を出しましたが、きっと誰もが多かれ少なかれ当てはまる部分があるのではないでしょうか。会話をしながら自分の話に持っていき延々と話したり、反対に言葉が足りなくて相手を不快にさせてしまったり。

ズレた話を続けたり、これくらい分かるだろうと自分基準で他人を判断してしまうのは結局、相手が見えていないから。

気のおけない関係ならいいけれど、仕事上で何かを伝えるとき、最も大切なのは相手の視点を常に忘れないこと

相手が聞きたいことを話し、伝わるように伝える能力です。

TVを見ているとやはり売れているアナウンサーや芸人の皆さんは、これがとても上手なんですよね。

最近は林修先生!ちょっとしたやり取りでもカリスマ講師の説明スキル、コミュニケーション能力の高さが垣間見れます。

気が遠くなる道です。。。

いつか身につけたいと毎日格闘しています。

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著者

TOMOKOのアバター TOMOKO International Makeup Association認定 メイクアップアーティスト (社)ジャパンブロウアーティスト協会代表理事

NY州立大学卒業後、アパレル・企業広報・IT翻訳・人材派遣営業職など様々な職業を経てロンドン、パリのメイクアップスクールに留学。
日本の眉毛エクステの第一人者として、NHK, AbemaTVなどメディア出演多数。
世界初の眉毛エクステ専用コスメEVOKE BROWSはじめ、眉毛エクステ専用商材を国産化粧品として開発。
眉のアドバイザー資格アイブロウマイスター監修、つけ眉毛技術W BROW/ノンケミカルブロウラミネーション技術発明。
メイクアップアーティストとして化粧品開発事業も行う。
美容師免許、調理師免許保有。
サイアートパーソナルカラーアナリスト。

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