独立・開業したばかりの人へ〜取材商法にご用心〜

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取材という名の広告営業

独立・開業した人がとても引っかかりやすいのが、有名女性ファション誌の企画に掲載しませんか?という広告代理店からの営業です。

私も最初にメイクサロンを始めた頃は、誰もが知るファッション誌名と、「○月号の企画で〜」「弊社で様々なサロンを調査した中で貴サロンに是非出ていただきたい。」という甘い言葉に乗りそうになったことが何度かありました。

話を聞くと結局、紙面サイズと料金(目立つサイズだと○十万!)を説明されて、ただの広告営業ということが分かりました。

この、取材企画という言葉から入る広告営業、特に地方在住の人にとっては、有名な一流ファッション誌に直々に打診されるなんて!と舞い上がり、また、『〇〇に掲載されました!』という宣伝ができるようになるため、払う人が少なくないのが現状です。

もちろんそのステータスが欲しくて、納得して売買が成立しているなら何の問題もありません。

そうではなく、自宅サロンを開業したばかりの人、独立して小さい規模でサロンをしている人は、こういった広告営業の絶好のターゲットになるので、”有名女性誌””取材”や”特別な企画”、という言葉を聞いても、料金がかかる時点で費用対効果を考えて出稿されることをお勧めします。

取材商法は巧妙になっている

お世話になります。
〇〇と申します。
この度、令和を生き抜くための経営者の考えや商品、サービスについての想いをお伺いしておりまして、貴社のお取り組みや経営理念、HPの情報等を拝見し、
松本代表へ取材を兼ねて一度お会いしたいと思いご連絡させて頂きました。
【メディア概要】
流行病や国際問題、SDGsなど、
世界共通の課題がより身近なものになってきた。
わたしたちそれぞれの選択が重要視される現代、
今こそ「ヒトのチカラ」に焦点をあてるべきではないか。
各界で活躍する「ヒト」にフォーカスを当て、個々の選択肢のヒントを得る。
【記事テーマ】
各業界で活躍する挑戦者達の人生ドラマを通じ、
次世代を背負っていく若者を応援するインタビューメディア
【ご出演者例】

先日届いた取材依頼のメールです。最後の【ご出演者例】には、一流企業の経営者や有名文化人の名前が続きます。

※撮影・インタビュー記事の掲載にあたりまして、
費用等は一切発生しませんので、ご安心くださいませ
WEBにて、お写真と記事でご紹介させていただきたいと考えております。

*もちろん御社にお伺いする事も可能ですが、
弊社銀座に撮影スペースもございます。
記事のお写真をより綺麗に撮影する事も可能ですのでその辺りは
お電話にてご相談させて下さいませ。

費用は発生しないから純粋な取材なんだ!と思うかもしれませんが、下記一文が掲載されています。

■その他
一点、ご了承頂きたい点がございまして、
〇〇のご掲載の際には、 私が所属しておりますPR会社の
PR企画のご提案もさせて頂きたいと思っております。

どんな内容かは分かりませんが、わざわざ営業されに行くようなものです。

こちらの企業のHPを見ると、TOPページには確かに一流経営者や文化人のインタビューはありますが、その後無数の無名企業の経営者が羅列されています。何ページあるのか少なくとも100名以上の誰も知らない企業の経営者インタビューが続いていました。

実は、この会社から同じ内容のメールを過去3回は受け取っています。もちろん全てスルーですが。

宛名が『ご担当者様』ではなく名指しで来ていたり、TOPページだけを見ていたら、自分の知ってる人なのか?信頼できるかも、と思い込みそうになりますが、企業情報はネットでいくらでも検索できるので経営者の名前を調べることは誰でも秒でできます。

本当の取材の見極め方

私もゼロから個人サロンを始めたことがあるので、有名メディアでテンションが上がる気持ちは理解できるし、そのステータスが欲しいと思う気持ちもよく分かります。

しかしながら現実は、このような広告枠へ数万円から数十万円をかけて出稿しても、見合った反響はまずありません。
反応が1件でもあればラッキー程度に考えておけば間違いないです。

実際に本当の取材依頼は、丁寧だなと感じることはあまりないです(私の経験上)。
なんとなく、出してやる、載せてやるといった上から目線的な雰囲気を感じたことが多々あります。
中には丁寧な人もいましたが。

本当の取材は、『無償で協力してほしい』という内容の文面になります。

そもそも現代は雑誌の発行部数は落ち込むばかりで、個人が自分のメディア(SNS)を持てる時代なので、有名誌に載ったからと言って箔がつくことは基本ありません。また今は時代のスピード感が一昔前と比べ物にならないくらい早いので、一瞬取り上げられても(バズっても)すぐに忘却されます。

高い広告費を払うよりも、SNS発信時に、どうしたら見てくれる人に有益な情報を提供できるか、楽しんでもらえるかを考えた方がよほど効果的だと思います。

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著者

TOMOKOのアバター TOMOKO International Makeup Association認定 メイクアップアーティスト (社)ジャパンブロウアーティスト協会代表理事

NY州立大学卒業後、アパレル・企業広報・IT翻訳・人材派遣営業職など様々な職業を経てロンドン、パリのメイクアップスクールに留学。
日本の眉毛エクステの第一人者として、NHK, AbemaTVなどメディア出演多数。
世界初の眉毛エクステ専用コスメEVOKE BROWSはじめ、眉毛エクステ専用商材を国産化粧品として開発。
眉のアドバイザー資格アイブロウマイスター監修、つけ眉毛技術W BROW/ノンケミカルブロウラミネーション技術発明。
メイクアップアーティストとして化粧品開発事業も行う。
美容師免許、調理師免許保有。
サイアートパーソナルカラーアナリスト。

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