ソフト=優しい ハード=強いではない
2024年現在、脱毛用のワックス剤は、数え切れないほど多くの種類が販売されています。
施術者の皆さんはどれを使えばいいか悩みますよね。
よくされる質問で、最も多いのが、ソフトワックスとハードワックスの違いです。
施術者だけでなく、取り扱っているメーカー担当者までこの違いを知らない人がとても多いのが現状です(美容業界の闇の一つ。。。)
今回は、こういったプロの方だけでなく、一般のお客様にも知っていただきたく、この記事を書きます。
一言で言うと、ソフトとハードは刺激の強さでの名称ではなく、材質の違いです。
名前が紛らわしいので、”ソフト=肌に優しい”と勘違いしている方も多いですが、実際に引き抜く力が強い(刺激が強い)のはソフトワックスです。
なぜソフトワックスの方が強いのか?
壁紙を想像してみてください
①壁紙をそのまま剥がす
②壁紙の上に接着剤を塗り、上から紙を押し付け紙ごと剥がす
後者の方にはテコの原理が加わるので、剥がす力が強力になります。
前者がハードワックス、後者がソフトワックスです。
〜ワックス脱毛の歴史〜 体毛の脱毛から始まった
ワックス脱毛の起源は諸説ありますが、砂糖を煮詰めてカラメル状にしたものを、体に擦りつけて脱毛したところから始まったと言われています。今で言うシュガーリングワックスです。
歴史上、脱毛用のワックスは、体毛の太い毛を抜くことを目的に作られました。
これがソフトワックスです。
その後、時代と共に美容の概念が変化して行く中で、眉周りや顔の脱毛にまで脱毛範囲が広がりました。
当時は、身体用のソフトワックスをそのまま顔にも使っていました。
が、
体毛と顔では皮膚の繊細さや毛質が異なり、ソフトワックスを顔に使用した際の肌トラブルは後を断ちませんでした。
そこで誕生したのがハードワックスです。
ハードワックスはソフトワックスの改良版
ソフトワックスと違い、ハードワックスは、塗った瞬間固まります。
その固まったワックスを剥がすだけで脱毛できます。
ハードワックスは、ソフトワックスの問題点や使いやすさを追求した謂わば改良版として誕生しました。
- ペーパー不要
- 手数が少なくて済む→時短施術の実現
- 肌への負担軽減
ここまでの情報は私自身がイギリスで学んだものです(一部バリ島で学んだものも含む)。
その中で、ソフトワックスは肌に密着し、ハードワックスは毛に密着すると言う記述も含まれていました。
なのでソフトは引き抜く力が強く、場合によっては皮膚まで剥がしてしまうのでトラブルになりやすい。
ハードは毛だけに密着するので、肌への負担が軽い。と言う理論です。
一つの参考にはなりますが、実際にワックスを塗る圧や剥がし方によってハードでも同様のことが起こるので、ソフトの方が引き抜く力が強くなるのは確かですが、真偽不明のため、この説は断言はできません。
結局どちらが良いの?
私は、未経験者や初心者の方には間違いなくハードワックスをお勧めします。
上記のとおり、ソフトの改良版がハードのため、扱いやすいのは明らかだから。
ただし、施術者として既にワックス技術を習得していて、ソフトワックスの方が扱いやすいなら全く問題はありません。
ワックス脱毛は、温度・量・塗り込みの圧・肌を抑える方向や圧・剥がし方など全て施術者の手技で調整するアナログな技術です。
腕の良し悪しがはっきりと別れる施術のため、上手い人ならワックスの種類は問題ではありません。
正しい知識が学べる眉ワックス脱毛講座
上記の内容を踏まえ、さらに詳しい内容を学べる講座を毎月セブンビューティーアカデミーで開催しています。
肌に優しいオパールワックスやワックスウォーマーもセットになったとてもお得な内容です。
ご興味がある方は是非お越しください。
直接お越しいただきたいですが、なかなか難しい方はオンライン講座もあります(商材は含まれません)。他で技術は学んだけれど、こういった知識不足の方にもオンライン講座はお値打ちでお勧めです。
上記のハードワックスとソフトワックスの違いはもちろん、ハニーワックスやシュガーリングワックスなどについても説明しています。
眉技術スクールや商材選びの基準
ワックスの種類一つとってもそうですが、現代は眉のデザイン法、商材、技法、スクールなど種類が多すぎて悩むと思います。
どれがベストと言うことではなく、試してみて、自身が心から良いと思ったものを取捨選択するしかありません。
私自身、国内外含め様々なワックス技法について学んだのは、お客様にベストを提供することが大前提なのは言うまでもなく、自分に合ったやり方や商材を見つけるためでした。
メイクアップアーティストも使う化粧品はみんなバラバラ、と私はよく言うのですが、人それぞれ合うものは違います。
良いものを自分で試す、選んだら身につくまで努力する時間が、いつの間にか自分のスタイルを確立すると思います。